「食」は私たちの生命や暮らしに無くてはならないものです。いつも何気なく口に入れている食べものは、日本や世界のどこかで、誰かによって生産され、みなさんのもとに届けられています。ところが「食」をめぐる状況は、急激な人口増加や気候変動、そして戦争や差別そして貧困のなかで揺らいでいます。いまこそ「食」に関する問題解決に関わるさまざまな学問の視点や方法論を学び、地域で具体的なアクションを起こす人材が求められています。
私たちの食とそれを取り巻くシステムをより良いものにするため、世界的な草の根運動をしているスローフードは、1989年にイタリアで始まり160ヵ国以上に広まっている国際組織です。スローフードが持っている、持続可能な食の生産・流通・消費に関する多面的な知見や地方で活躍する世界的・全国的な食のアントレプレナーのネットワークを活用し、地球規模の視野をもちながら食の未来を変えたいと願う地方の学生に学びの機会を提供します。
本プログラムは、高校生と大学 1、2 年生向けに、持続可能な食に関する総合的な知識を持ち ながら食料生産を担うアントレプレナー、”ガストロノーム”を育成するためのプログラムです。スローフードのネットワークを活用した国内外のプログラムを実施し、①大学生メンター育成、②食料生産に関連する普通科以外の学科に在学する高校生向けのラーニングジャーニー、③最終発表会を行う。都市圏よりも情報へのアクセスが限られている層にアプローチし、地域活躍人材の定着を狙う大学事業と地域内高校との接続を強化し、食に関わる早期の人材発掘・育成を全国規模で行います。
20224年9月26日から30日にかけて、第15回テッラ・マードレ・サローネ・デル・グストがトリノで開催されます。
テッラ・マードレ・サローネ・デル・グストとは、Good Clean Fair な食べ物とフードシステムをテーマにしている世界最大の国際イベントで、2年に1度、イタリアのトリノで開催されます。イタリアのブラに本拠を置き、160カ国に展開する非営利の国際団体スローフードが、1996年に初めて開催しました。
このイベントは、食の新しい未来を共創することを目的としています。今回は130カ国から3000人以上の代表者が参加し、700以上の出展者が参加し、個人の日々の選択、草の根コミュニティの日々のアクションの積み重ね、公共・民間両機関の政策についてなど、食の未来を形づくるさまざまな要素が多角的に扱われます。
日本からのスローフード代表団は60名。農家、生産者、料理人、学者、活動家など多様なメンバーから構成され、最年少は14歳、最年長は79歳と、年代も性別も職業も非常に多様なメンバーが参加します。